妖しい火は心のどこかに火の種として存在したままだった。
でも、やはり期待はしないようにしようという気持ちが
強く前にでていた。
そんな気持ちのままでリョウに会った。
正直、びくっとした。
明らかに今までのリョウと印象が違う。
男の私にはわからなかった。でも、明らかに違う雰囲気。
過去に女王様プレイをする時の感じとも少し違う。
前はもっと単純に威圧的だった。今日のリョウは妖艶だ。
何が違うのだろう?
いつものように服のセンスはいい。リョウに似合っている。
でも、何かが違う・・・・あぁ・・なんか高いところにいる
そんな感じが今日のリョウにはした。
何を話したらいいのか、わからない。
いつもと印象が違って、何か眩しい感じがして目を合わせられない。
部屋にたどり着く前に、エレベータの中で私はリョウに
キスをしようとした。
そうしたら、きっぱり「だめ」と拒絶された。
(え?本気なのやっぱり?)
私の心の中の妖しい火は一気に燃え上がってきた。
体の芯がぞくっとする。
でも、同時に感じたのは恥ずかしさだった。何故恥ずかしいのか
その時には理解できなかった。
(つづく)
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