以前兄のことを日記に書いた時に「フラッシュバック」という言葉を聞きました。
「私も、以前体験した嫌なことが、今でもSEXの時にフラッシュバックします」
というメッセージを、読者の方に頂いたのです。
「フラッシュバック」・・・。
言葉は、知っていました。
どういうことなのかも、知っていました。
でもこの時まで、自分と結びつけたことは無かったのです。
私は、藍に話を聞いてもらうまでは
自分は辛い体験をしていたわけではない、と思い込んでいましたので
自分がフラッシュバックを経験するなんて、思ってもいなかったのでした。
ある時ふと「ひょっとして、これがフラッシュバックなの?」と、思いました。
そう、藍とのSEXの途中です。
私の中では、もう、当たり前のことになっていました。
兄とそういう経験したのは、たぶん、10歳の頃です。
私は今、20代後半・・・。
私の人生の中で、兄との経験を知らなかった私よりも
経験してしまってからの私の人生の方が、長くなってしまっていたのです。
辛いことではありました。
でも、見えなくなることは無いと思うほど、当然のように毎回、その映像は見えるのです。
兄の局部と、それを、舐めるように言われた時の私の心理状態。
その、前後のこと。
それが、私の目の前にいる、私が好きな男性のそれに、一瞬、重なって見えるのです。
口に含もうとする、直前のことです。
もちろん、毎回私は身体が硬直するのです。
自分から進んで愛撫する時も、同じでした。
どんな場所でも、どんな体勢でも、相手が、私が好きな人にもかかわらず。
なんとか、毎回誤魔化します。
しばらく落ち着くまで、手で触ってみたり
愛撫はお預けにして、わざと焦らしてるように話をしてみたり。
「愛撫してくれる?」「大きくしてほしい・・」
そう言われた時が、一番辛い時でした。
自分のペースで始めることが、出来ないからです。
自分の気持ちでは、すぐにも口に含みたいと思うのですが
身体が、いうことをききません。
一瞬。ほんの、一瞬だと思います。
でも、私にはとてつもなく、長く感じる時間。
やはり、身体が硬直するのですが、それを振り払うように愛撫を始めるのです。
一旦愛撫を始めると、何事も無かったように忘れてしまえるので
そんなに、気にはしていなかったのでした。
(つづく)
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