狂いそうな感覚は、狂う直前で神のご加護を私に与える。
あまりにも強い快楽のせいで、性欲の中枢がペニスの勃起を抑制するのだろう。
ふっと、それまで刺激を受けていた剛直が、ふとその力を抜く。
そうすると、いままでと感じ方が激変する。
勃起状態でのリョウ女王様の亀頭責めはただただ強すぎの凶器だが
勃起が少しでも収まるとリョウ女王様の責めは甘美な喜びに変わる。
自分でも声の質が急に変わったのがわかる。
まるで、苦しみの中で脳内にアドレナリンがでて楽になるのと同じように
私は亀頭責めの苦しみから一瞬だけ逃れることができる。
しかし、ほっとするのはつかの間。
リョウ女王様は、私が楽になった理由を熟知している。
すぐに愛撫の仕方を変えて、私のペニスを完全に勃起した状態に
戻そうとする。
一瞬、正気に戻る私。
これはでも不幸なことなのだと思う。
そのまま狂っていればまだ楽なのに、正気に戻るとあの亀頭責めの
恐怖がまた私を襲うのだから。
リョウ女王様が私の目を見つめている。
早く勃起しないさいと、その目がよびかける。
「あ・あ・あぁッ・・!、あ!」女性のような喘ぎ声を出して、私はまた処刑台に上る。
(つづく)
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