「ん・・!」思わず、声がもれてしまいました。
藍に叱られます。
「声を出したら、やめるよ」何をされているのか、わかりません。
急に、驚くほどの快感が私を襲ってきたのです。
どうも、私の下の口が飲み込んでいるそれと同時に
私の快感を得るための、小さな突起物を刺激したようなのです。
目が、潤んできているのがわかります。
藍を見つめました。
必死で、訴えます。
藍が私の視線に気づき、微笑んでいるのが見えました。
優しそうな笑顔。
でも、目は笑っていないのです。
私を、痛めつける時の、眼。
私を、狂わせる時の、眼。
愛する女を自分のものにしている、征服感に満ちた眼。
Sの、眼。
小さく、頭を横に振りました。
もうダメ。やめて。という意味です。
藍も、小さく横に頭を振ります。
許してあげない。もっと、苦しんで。という意味です。
誰かに、見られるかもしれない。
誰かに、気づかれるかもしれない。
私が何をされているのか、私が何を銜えているのか
私のどの部分が、顔を紅潮させているのか
藍のどんな行為が、私をこんな顔にさせているのか
誰かに、知られるかもしれない。
そんなことを、ぼんやりと考えているような
それすら、考えられないような
そんな私の一日は、バスを降りる直前まで続きました。
家に帰り夜になり、今日一日の出来事を思い出し、思わず顔を赤くしたが
鏡を見て姿を整え、何食わぬ顔で寝室へと向かいました。
一人で自分の身体を慰めたことは、今この日記を藍に見せるまでは、内緒なのです。
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