リョウも私も全く体を動かすことができませんでした。
私が意図せずリョウにかけた縄は、リョウを魔法に掛けました。
魔法にかかったリョウは私を誘い、私を魔法に掛けました。
2匹の獣はわけがわからない状態にさせられ、踊らされそしてベッドの上で交わったままきつく体を寄せたまま身動きできなくなっていました。
先に体の自由が効くようになった私は、リョウに声を掛けました。
でも返事がありません。眠ったようにリョウは静かにしています。
縄を解くために体をうつぶせにさせようとすると、ようやくリョウも薄く目を開けて作業に協力してくれました。
縄を少しずつ解きながら私達は全く無言でした。
私は、何を話していいのかわかりませんでした。混乱していました。
今自分とリョウの間に何があったのかなかなか理解できないでいました。
縄が完全に解け終わると、私たちはベッドに横になりリョウを胸で抱きしめました。
私が口火を切りました。
「縛られて・・感じたの?」「・・・うん。」「痛くなかった?良かったの?」「うん。」「またして欲しい?」「うん。またして。」先ほどまでの妖艶さは完全に消えて、私の腕の中にはいつものリョウがいました。
でも、言葉は少なく恥ずかしそうに私に抱きついていました。
(つづく)
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