カメラを向ける時には決してしない、リョウの
表情というものがあります。
私の腕に抱かれて、腕の中で安心しきって幸せそうな
リョウのあの表情。
多分、彼女がもっとも美しい表情をする時ではないでしょうか?
私は何度も何度も見ているのに、でもはっきりと思い出せない
のです。そう、人の記憶はどんどん薄らいでしまうからです。
だから、写真に残したいといつも思うのです。
でも、カメラを向けたとたんにリョウの表情は微妙に変わって
しまうのです。
虹の写真を撮るのは難しいと聞きます。
それは技術の問題もあるのでしょう。
でも本当の難しさはその瞬間感じた美しさはファインダー
越しでは写らないからのような気もしています。
とすると、リョウのあの表情もやはりファインダー越しでは
残せないものなのかもしれません。
また、近々にリョウを抱きしめるときっと彼女はあの
表情をしてくれると思います。
写真になかなか残せないあの表情で私に抱かれるのでしょう。
愛してる、リョウ。
早く腕の中に帰っておいで。
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