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憧憬(その29)

狂うものは燃えたぎり、絶叫をし狂い。
狂わせるものは冷徹に、低い声で導く。

見なくてもわかるほどゆがんでいる私の顔を見てリョウ女王様は
こう、私に伝えた。

「可愛い顔、ずっと私に見せて」

抑揚のない、まるでせりふを読んでいるかのような話し方で
低く冷たい声で私に語りかけた。
リョウ女王様のサディズムが最高潮になる時、こういう感じになる。
そして、後の告白を聞く限りではもっとも興奮している時でもある。

勿論、責めを受けているときにそんなことを考える余裕など
ひとつもありはしない。
ただただ、体を襲う凶器の快楽から逃れることしか考えられないからだ。

事実、この時私は半分泣き出していた。
あまりの辛さに勝手に涙があふれてきたからだ。
泣いたからといって辛さから逃れられるわけではない。
せいぜい、ほんの少し勃起状態に戻るのが遅くなるだけだ。

リョウ女王様は、ゆるくなった私のペニスに両手で刺激を
与え始めた。
正直、もう勃起しないで欲しいと思った。
もう、これ以上耐えられないとも。

しかし、リョウ女王様のテクニックはあまりにも神懸かっていた。
あっという間にするすると勃起状態に戻ってしまった。

「あぁああああ!!!!!!」

私の絶叫が、部屋にこだました。



(つづく)



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  • 快楽を求め続けてお互いに相手を狂わせて楽しんでいます。
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