Love Letter

嫌だった。
ずっと、ずっと、嫌だった。

でも、兄のことは好きだった。

私は、そういうことをしない兄を、待っていた。
ただ、待っていた。

「今日こそは、変なことをしないお兄ちゃんかもしれない」と・・。


誰にも、言えなかった。

言えば、両親が困ると思った。
家庭が崩壊すると思った。

両親に言えば、その後、両親にどういう顔を見せればいいのかがわからなかった。
兄にも、もう会えないかもしれないと思った。

兄に会えなくなるのは嫌だった。
でも、両親に話してしまった後は、兄と生活を共にするのは嫌だった。


私が選んだのは
ただ、私が我慢することだった。

いつまでも続くことではないと、感じていたから。


（つづく）


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