今、こうしてその時のことを思い出してもどうしてそんなことを考えたのか明確な答えは出てきません。
仰向けで縄で縛られまっすぐに体を伸ばした状態で私は亀頭責めをされていました。
リョウは丁度私の太ももの辺りでベッドに座り込んで私自身を愛撫していました。
たまに抱きしめてもらう以外はやはりリョウは少し遠いところにいるように感じました。
亀頭責めを受け、絶叫を繰り返しながら、私は一度思いついたこの考えを何度も何度も反芻していました。
考えは次第に欲求に変わりり最後には欲望に変わっていきました。
どうしてそういう欲望になったのかやはりわかりません。
しかし、リョウにはそれを告げることはできませんでした。
何度も何度も言いたいと思ったのですが、その度に私は自制して欲望を吐露することを抑えました。
自制した理由はひとつだけです。
リョウに軽蔑されるのが怖かったのです。
そして、それ以上に嫌われるのが怖かったのです。
何度も何度も言おうとしては、辞めるというのを繰り返していました。
亀頭責めの苦しさの山を何度か乗り越え次第に狂いはじめてきた私は、とうとう欲望と変わった自分の思いをリョウに伝えようと思いました。
「ね。。。。」絶叫の合間に、私はリョウに話かけました。
リョウは、急に話かけられて少しびっくりしているような感じでした。
「なに?」「ん・・・」なかなか言葉に出せませんでした。
言ったらこれで終わりになってしまうかもしれないと思いました。
意を決して私は声に出して言うことにしました。
こんなにリョウにものを話すことに躊躇したことは初めてでした。
「・・・・・足で、踏んでほしい・・」(つづく)
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