春になって雪が溶け出すように、私達の間にあった壁が一気に
崩れていくのを感じました。
「なんかこうしてメールで話をしてたら
ぐいぐい引っ張られてしまった。
ああ、悔しい。好きなんだな、リョウのこと。」
「今日一日、藍と話せなくって、もう時間も迫ってきてて
もう話せないのかなって思った時、すごく寂しかった。」
「ごめんね。なんかデートっていう気分じゃなくなってる。
抱きたい。すごく」。
「藍は、抱きたいって思ってくれるの?
なんかね。また話をするようになってから、もう当分は
そう思ってくれないんじゃないかって思ってたから。」
「ああ、でも、すごく悔しい。
こんなに心を揺さぶられるのくやしい。」
「会いたい。藍に。すごく。」
「そっか。それはでもお互い様だよ。」
「うん。わたしも、どんな顔して藍に会ったらいいのか
わかんない。」
そして、何通もメールをかわして心に秘めていた気持ちを
私達は吐き出していきました。
今考えれば当たり前なのですが、このときはお互いが同じように
不安をもっていたことが分かり合えて心が昂ぶりました。
「おやすみなさい。また、明日。今日、藍と話せてよかった。」
(つづく)
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