次の日。とうとう逢瀬になりました。
前日確かに気持ちは通ったように思えていました。
でも、やはり不安は不安でした。やはり会ってみないと、触れ合って
みないとどうしてもわからないことはあると思えたのです。
久しぶりに会ったリョウは、少し眩しいくらいに美しく見えました。
リョウに悟られないようにしましたが、私はかなり動揺していました。
一緒に部屋に入り、ドアを閉めて、リョウを抱きしめました。
そっと抱き返すリョウの両手。
リョウの体温が伝わってきて、私は大きな吐息をつきました。
リョウがようやく腕の中に帰ってきた。帰ってきてくれた。
嬉しいという気持ちと共にほっとした気持ちも非常に大きく感じ
ました。
ベッドの上で、例の共同作業の話をしました。
リョウも乗り気でああでもないこうでもないと楽しい時間を過ごし
ました。
愛しい、愛しい、愛しい・・
話をしているうちに近くでリョウを感じ、リョウの笑い声を聞いて
いるうちに自分の気持ちを抑えきれなくなって私はリョウを抱きしめ
ました。そして、唇にキスをしました。
「リョウ。大好き」
私はリョウの顔を唇でキスをしながらなぞりました。
ああ、そう。これがリョウの匂い。そう。これ。
でも、私はそれ以上のことをするのをためらっていました。
リョウに拒否されるのではないかという不安があったからです。
(つづく)
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