ある日のことでした。
何故かうまくリョウとの波長が合わないことがあって、私がする愛撫がどれもリョウに気に入られないということがありました。
二人ともなんとなく物足りないような気持ちになり、いつの間にか攻守逆転になったのです。
つまり、リョウが私に愛撫や責めをするということになりました。
リョウはわざとかどうかわかりませんが、私がリョウに対してするキスと全く同じような手順で私にキスをしていきます。
受身の立場でキスをされていると、何故かいつも私は
”どうにでもしてほしい”という気持ちになってしまいます。
リョウがたまに私に言う
「めちゃくちゃにしてほしい」という状態に近いのでしょうか。
首筋を舌でなめ上げられて、思わず声を漏らしそうになります。背筋がゾクリとするような優しく甘い快感が体を走りました。
体がどんどん敏感になっていくのがわかります。
リョウの動き一つ一つに自分の体の5感が鋭敏に反応してしまう感じです。
そして、リョウは私がすっかり受身の状態になじんでいるのを確認してから耳の方へ舌を這わせていきました。
くすぐったいような、体の芯が甘くとけてしまうような感覚に思わず私は体を硬くしていました。
そして、耳元でリョウがささやきました。
「耳・・・・舐めてあげるね・・・」頷くまもなくリョウの舌先が耳の中に入ってきました。
それは、私はかつて経験のない世界に飲み込まれる瞬間でした。
(つづく)
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