「今日は、キス禁止ね。」会ってすぐにリョウは私に釘を刺しました。
「?? え?、なんで?」「いいの。どうしても。」にっこりと微笑むリョウ。
でも、何かいつもと違います。
頬が、少し赤くほてっているように思えます。つないだ手も少し熱く感じました
私が気がついたと思ったのでしょうか。リョウは告白をしました。
「風邪がね、完全じゃないの。もう大丈夫なんだけどね。」「え?駄目でしょ。そんな時にデートなんて。寝てなきゃ。」「いいの。もう大丈夫だから。いいから。行きましょう。でも、あまり歩きたくないから。」リョウの表情を見る限り、確かにリョウの言葉には嘘はないように思えました。
私は、この段階でリョウのことを抱きたいという欲望はほとんどありませんでした。
むしろ今すぐにでも家に帰って休ませてあげたい気分でした。
でも、体調が悪いのに無理をしてこうやって私に会いに来るリョウの気持ちは痛いほどわかりました。
私も風邪で倒れると、いつも考えることは隣にリョウがいればいいのにと思うからです。
「うん。わかった。じゃ抱きしめていてあげる。でも、キスはするよ。私に風邪をうつせばリョウは風邪が治るでしょ。」「だめ、キスは。うつったら嫌だから。藍が苦しむのいやだもん」」数分後、リョウは私に唇を奪われて熱いベーゼを重ねていました。
(つづく)
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