仰向けに寝かせた藍を、私はまた違った方法で苦しめようと思う。
亀頭責めはもうしない。
激しく、イカせることだけを目的とした愛撫をする。
しばらくしてから、悲痛な声が小さく私の耳に届く。
「やめて」私は何か、重大な失敗をしたのだろうか・・?
私は何か、藍に不快な思いをさせただろうか・・?
頭の中を、クエスチョンマークが行ったりきたりする。
「どうして嫌なの?」聞いても、何も答えが無い。
少しイラついたように、答えをせかすように、もう一度問う。
それでも答えない。
どうすればいいのかわからず、黙っていると
やっとのことで藍が口を開いた。
「指を入れて・・」どうしてそうしてほしいのか、何故あのままイカせてほしくなかったのか
何もわからないまま、問いただすこともせず、言われた通りにする。
私としてはあのまま続け、その後も何度もイカせようとしていたので
少し、責める気持ちが消えたようになる。
後ろに指を入れてほどなくして、藍の咆哮と共に白い液体が飛び散る。
腕をしばったロープにまで到達するほど、大量に、勢い良く。
それを見た後に、約束を果たそうと思う。
「ロープで縛り付けて、動けない状態でイカせ、その後亀頭責めをしてほしい」あの、何度も聞いた約束だ。
して欲しい気持ちと、して欲しくない気持ちが交錯しているのを知りながらも
ロープで縛り付けるということをなかなかしなかったため
今まで実現することはなかった行為。
声にならない叫び声。
逃げようとよじる身体。
ただそれは、最初に
「踏んで欲しい」と言われた時の衝撃が
強烈に頭に残っている私には、もうぼんやりとした記憶としてしか、存在していない。
この日の出来事はタイトルの通り、今後の二人にとって序章に過ぎないことを
私はこの後しばらくして、藍とのチャットを繰り返しした後に、知ることになる。
そう、藍がMとして目覚め、私がSとして本格的に目覚めるきっかけが、この日の日記なのだ。
リョウの愛撫日記 ~~これは、序章にすぎない シリーズ一覧
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