「壊したい」というリョウの欲望と「壊されたい」という
私の欲望とが重なった逢瀬のことでした。
逢瀬の前日から2人とも興奮気味で話をしていたこともあり
私はリョウに逢いにいく段階で既に少し落ちてしまっている
ような状態でした。
「会う前から落ちていて」リョウに言われた言葉が頭を駆け巡ってしまい、その日に
されるであろう様々な責めを想像してしまい、私は既に
責められているかのように興奮してしまっていました。
リョウと逢い、部屋まで移動する時間もどんどん昂ぶる
気持ちを抑えきれなくなってきていました。
リョウは・・・この時いったいどんな気持ちだったので
しょうか?
部屋に入っても、いつもするようなキスはしませんでした。
キスはリョウのスイッチを入れてしまうからです。
リョウが先に落ちてしまうのです。
だからじっと抱きしめあうだけで我慢していました。
「どうされたい?」リョウの問いに私は直ぐに答えました。
「壊して欲しい。」リョウは私の背中をかき回すように抱きしめながら
直ぐに問い返しました。
「誰に?」私は一瞬躊躇しました。
そして、それは自分でもびっくりする答えでした。
「リョウに。リョウに壊されたい」(つづく)
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