部屋にたどり着いて準備を服を脱いだ。
リョウの準備を待つ時間が長く感じる。
ドアが空く音がして、リョウが私の前に立った。
あ・・・
リョウは、上にホテルのガウンを着ていた。
どうしたのだろうと、思う間もなく、リョウは私を見つめて
「どう?」とガウンの前を開いた。
私は・・・・絶句した。
美しい・・・なんなんだ、この美しさは?
リョウの美貌にもスタイルの良さも十分わかっていたはず。
女王様のコスチュームも見たことはあるはず。
なのに、なんだろう?この雰囲気は。この美しさは?
私は何かを言ったのだろうけど。覚えていない。
とにかく、なんと表現していいのかわからない。
「もっと離れて見て」私は一歩下がって、リョウの全身を見る。。
ああ・・・美しい。なんて綺麗なんだ。。。
その時ようやくわかった。どうして、エレベータの中で
恥ずかしい気持ちになったのか。
少年の頃、美しい年上の女性を見たときに感じた
あの感覚と同じだった。
憧憬。
そう、私の憧憬が今、目の前に見えているのだと。
リョウに感じたものは憧憬そのものだった。
(つづく)
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