リョウは何が変わったのだろう。
躊躇がなくなった。一瞬の怯みがリョウには見えない。
私がどんなに声を上げようが、反応しようが気にしない。
言葉が普通に出ている。
変態な奴隷を苛める、躾ける、責める。そのシチュエーションに
リョウはぴったりとあった言葉を投げかけている。
目が違う。多分これが最大かもしれない。
私をにらみつける時の深く大きな瞳。
私を侮蔑する時の蔑みの目。
そして、私がのた打ち回る時の喜びをあらわす目元。
演技で、こんな表情をリョウはできるのだろうか?
私にはどうしてもリョウがそんな器用な演技をできる
とは思えない。
リョウは、プレイの後でこう言っていた。
「自由になって、本物に近づいたというのは、あってると思う。
自分でもそうだと思うから。
前より、本物になってきたって、実感する。
狂気が混ざって、何か脳内に分泌されたような
今までと少し違う感覚。
今までもあったけど、それがもっと強くなったかな。」
狂気・・・そう、確かに私がこの日、リョウから感じた
イメージもこれのような気がする
そして、私はそれに酔いしれた。
(つづく)
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