その日は飢えていました。
リョウも私も。
お互いに抱きたくて、抱かれたくて。
2人にしては珍しいほど、あってすぐから発情しきっていました。
いつもであれば、今日の逢瀬ではHはしないかな?などと考えるのですが・・
この日はそんなこと考えもしませんでした。
リョウも私を求めているのがわかります。
私はそれを感じてもっともっとリョウを求めます。
まだ、手が触れているだけなのに。
まだ、キスもしていないのに。
ホテルに移動するまでの間、何を話していたのか覚えていません。
私はリョウを抱くことだけ考えていました。
欲しい、欲しい、欲しい。獣のような目をしていたのではないでしょうか。
リョウの目も少し潤んでいたように記憶しています。
頂戴、頂戴、頂戴。ほんの少しの時間でも無駄にしたくないような感じで
部屋に入るなり2人とも忙しく服をハンガーにかけます。
私は先にベッドにもぐりこみます。
「リョウ、早くおいで」まだ冷たいシーツの中に、真っ白で何度見ても見ほれてしまう美しい
素裸の熱の塊がすぐに飛び込んできました。
「あぁ・・・」私に抱きつくように腕を私の首に回して、リョウは喜びの小さな声をあげました。
(つづく)
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