雨の多い今年の秋のある日の逢瀬の事でした。
待っていた逢瀬だったですが、リョウは今一つ気持ちが乗らない様子でした。
一緒にいて、抱き締めていてほしいけれど積極的に交わりたいという感じではない。
そんな様子にみえました。
抱き合ってキスをしていました。
お互いにお互いの舌の感触を確かめるように味わっているうちに、私達は足を絡め
手を巻き付けぴったりとくっつき始めました。
首筋から耳元へ私が舌を這わせるころには、私の体はリョウの両足の間に
割り込むように入っていました。
また、リョウの唇にキスをし始めるころ私達はいつの間にか交わっていました。
正上位の姿勢でリョウを犯し始めました。
でも・・何か様子がおかしいのです。
リョウは、この態勢ではそれほど感じないはずなのに、いつもより声が大きいのです。
私は、もう少し奥までリョウの体に自分自身を差し込んでみました。
そうすると、もっと大きな声が。。。。
何か、嫌な予感がして私は動きを止めました。
「痛いんじゃない?」「ううん、続けて」「痛いんでしょ。駄目だよ。無理しちゃ・・・」「・・・・でも、続けてほしい。」「やめよう。駄目だよ。」私はリョウから体を離しました。
(おかしいな・・・ちゃんとリョウの身体の準備はできていたのに・・)リョウは悲しそうな目をしていました。
私にはリョウのこの時の気持ちが少し分かりました。
自分の体は確かに痛みを感じていても、そのまま交わっていたい。
きっとそんなふうに考えていたのでしょう。
でも、痛みを伴うSEXはリョウには厳禁です。
リョウの気持ちだけ確かに受け取って、私達は抱き合ったままずっとずっと話をしていました。
(つづく)
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