過去にあの時ほどリョウの命令が絶対的に聞こえたことはありませんでした。
リョウの嗅ぎなさいという命令に私の思考は完全に停止してリョウのいいなり
になりました。
そして、顔の前に突き出されたリョウの下着の匂いを嗅ぎました。
もう何度も嗅いだリョウの愛液の匂い。
そしてそれ以上に強い男の匂いがしました。
私は、自分以外の男性のスペルマの匂いをはじめて嗅ぎました。
鼻から脳の奥にずんと刺激が着ました。
バラバラと崩れる理性、歪む視野。
正常の感覚が全て崩れ、経験したことの無い世界を
ふわふわと漂う気分でした。
昨晩リョウを犯した他の男のペニスから溢れ出た精液を
リョウの下着で嗅がされている。
その事実は私の尊厳の全てを壊し去りました。
もう、あの世にいるかのような気分でした。
何もかもが壊れる状態というのはこんなに気持ちいいものかと。
あれほどさっきまで感じていた嫌悪感がすっかり消えて
私は、自分をこんなに気持ちよくしてくれたリョウに感謝したい
ほどでした。
リョウは私が壊れたの確認して、そしてまたこう命令しました。
「舌をだして。今度は舐めてご覧」私はきっとへらへら笑っていたと思います。
リョウの言うとおりに舌を伸ばしました。
(つづく)
苦しむ顔と、逝く時の顔 シリーズ一覧
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