この時点では、私はまだ女王様ではありませんでした。
ただ、藍をいじめて遊んでいるだけの存在でした。
藍が、私の言葉に反応してあちらの世界に飛んで行き
そんな藍が、今度は私をひっぱるようにして、向こうへと引きずり込んでいきました。
カチリ。
私の中のスイッチが入る音がしました。
私が女王様へと変貌するためのスイッチです。
スイッチが入った私が発する言葉は
もう誘導ではなく、誘惑でもなく、命令です。
「今そこで、やってごらん」こちらから、藍の様子や周りの様子は窺えません。
「出来るかどうかわからない、でも出来ないことは無い」
そう思えるギリギリの命令を出しました。
「今そこで、いつも私がしているように、乳首を触ってごらん。
さっき、私がメールに書いたように、さすって、痛くして
それからつねってごらん」それから、僅かな時間の後に届いたメールには
私が期待したような、奴隷の甘い声は書かれていませんでした。
その代わり、短い、藍がそれを読んだら消え入るような声で私に伝えるに違いない
そういう文章が書かれていたのでした。
「電話・・・いい?」 (つづく)
奴隷へ ~小さな抵抗 シリーズ一覧
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