獣のような声が聞こえる。
朦朧とした意識の中聞こえたのは、とても不思議な声。
これは、誰の声?
聞き覚えのない声。
知らない声。
だけど、とても声が近い。
他人の声のように聞こえるのは、私の声?藍の指が、仰向けに寝ている私を犯す。
身体に、異常に力が入っている。
全身の筋肉が、硬直している。
震える、手足。
私の意思とは別に、勝手に動く腰。
無意識に、何かをつかもうと、もがいた。
シーツをつかみ、握り締め、また離し、空をつかみ
何かつかもうとしても、何をつかみたいのかわからず
手を振り回し、ベットを叩き
そして、藍の足に爪を立てた。
(たすけて・・・!)声にならない声。
だめ。それはだめなの。
熱い。あそこが熱い!
お願い、許して。
イキたい、イキたい、イキたいの!!!このままイクことが出来れば、どんなに楽だろう。
頭に、靄がかかった状態で思う。
思考が、ほとんど進まない。
考えることは、ただ
「イカせて!!」だけ。
目を開けてみる。
藍の顔。愛しい、藍の顔。
私を見ているはずなのに、藍の顔がぼんやりとしか見えない。
(つづく)
P.S.
今日から、リョウの日記の連載です。
丁度昨日までの私(藍)の日記の、リョウから見た日記になります。
「リョウより ~~獣の声」 シリーズ一覧
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