最近のリョウの変化の1つに、彼女が自分自身の分析をし始めたことがあります。自分を客観的に冷静に見つめる目を持ち始めたことは大きな進歩だと私は評価しています。
そんな中での2人の会話。
「私ね。どうして、藍にわざと嫌われるようなことを言うのか考えてみたの」
リョウは、私との他愛ない話の中でわざと私を困らせるようなことをいうことがあります。
たとえば、私が「愛している」というと、即座に「大嫌い」といったりするのです。
勿論、リョウの言葉は本心でないのはリョウの目を見ればわかります。逆のことを言っているのは明らかです。
私はいつも「うん、ありがとう」と逆の意味に捉えてニコニコしているのです。
リョウは素直に「私も、愛している」とは決して言わないのです。
リョウの自己分析は、何故わざわざ心と逆のことを言うのかということでした。
「うん、どうして?」
「藍にね、叱ってもらいたいのかなって思ったの」
リョウの話はまだ続きがあるようでした。
私は少しだけうなずきながらリョウの話を聞いていました。
「でもね、少し違う感じなの」
私も、そう思っていました。
事実、リョウがわざと逆のことを言っても私はリョウを叱ったりしません。
リョウは言葉を続けました。
「でね、思ったの。藍はいつも冷静じゃない。私は藍の冷静さを壊したいんだなって思ったの」
「あははは、なるほどね。それはわかるなぁ~」
言われてみて確かにそう思います。
実際の私の心の動きはともかくとして、リョウの前で私は取り乱したりすることは少ないのは事実です。
そして、たまに堪忍袋の緒が切れてリョウを怒鳴りつけることがあります。
そうすると、とたんにリョウは今までの駄々子を急に止めて自分の感情に素直な発言をすることが多々ありました。
リョウは私の前で、様々な表情を見せます。寂しがったり、ふてくされたり、すねたり、泣いたり、甘えたり。
彼女の人生の中でここまで表現豊かな姿を見せたことはないのではないかというくらい。
一方、私はそこまで表現豊かに彼女に自分の表情を見せてはいません。
それは自分でもそう思うのです。だからこそ、リョウの分析はよく理解できました。
ただ・・・私は表情に出さないだけで、いつも心は乱れているのです。それこそ、寂しがったり、ふてくされたり、すねたり、泣いたり、甘えたり。
そして、私の人生の中で、ここまで表現豊かにLove Letterを書き綴り続けたこともないのです。
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