いったい今度は藍はなにをやりだそうというのだろう?リョウは、3割好奇心・7割困惑の様子でした。
「着いたら話すよ。でも、変なことじゃない。」「そうなの?」「うん。」私が落ち着いて話すので、リョウは却って不安そうに見えました。
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シーツの中で、素裸で抱き合ってすぐに、私は話の続きをしました。
いつもだと私達はキスから始めてすぐに体を抱きしめあうのですが、この日はもっと先にしたいこと伝えたいことがあったのです。
「さっきの話ね。」「うん。なに?」私が切り出すと、リョウはいつもとは違う雰囲気に少し戸惑いながら私の顔を見つめていました。
「ここのところね、1つ考えていることがあってね。私はどんな風にリョウのことを抱きたいのだろうって」「うん、それで?」「昔は・・・もう、リョウを抱きたいSEXしたいという気持ちばかりだったのだけど、変わってきていてね」「うん。」「今ね、はっきりとリョウをどんな風に抱きたいのかということに対して、自分の気持ちがわかった気がしたんだ。」リョウは返事をしないで私の次の言葉を待っています。
「リョウを感じさせようとか、自分がどうやったら興奮するだろうかではなく、」少し言葉を切って、そして私は話を続けました。
「愛してるというのが、伝わるような抱き方をしたいって思った。」リョウは一瞬、瞳を大きく開いて私を見つめた後に、私に飛びついたかと思うとギュッと両手を私の首に回して私を抱きしめました。
「うん、うん。嬉しい。。。」(つづく)
P.S.
普段はあまりしないのですが、今日珍しくリョウの写真を見てしまいました。
視線をカメラに向けている写真が目に付きました。
私を見ている瞳に、釘付けになりました。
もう、何百回何千回も見なれた瞳なのに。
美しいと思いました。
日記を書きながらふと思います。
こうして書いている逢瀬の記憶は本当なのだろうかと。
この美しい瞳に私は本当に見つめられたのだろうかと。
薄れていく記憶。
私は心のどこかで、失いたくない記憶をリョウへのLove Letterとしてここに残そうと感じているのかもしれません。
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