前のエントリーの続きです。リョウが責め手になって私を言葉で犯していく様子です。
私はこの時既に、リョウに「お前」と呼ばれリョウを「リョウ様」と呼んでいました。
これは会話をしているうちに自然にそうなったのです。
そのほうが私が感じやすいことをリョウは敏感に受け取ってゆっくりとそして丁寧に言葉を変えていったのでした。
私がそのことに気がついたのは随分後になってからです。
「お前にとって、恥ずかしいことってどんなこと?」「自分でもきちんとわかっていません。」「わからないのに、言いたい?」「はい。いいたいです。」私自身この段階では、自分が受身になって何をされたいのかははっきりとは
していませんでした。
リョウの巧みな話術で、少しずつ掘り起こされていった気がします。
リョウは理由は抜きにして、私の反応が良いところを巧みに会話に織り交ぜてそしてその反応を見ながら私に質問という名の命令を繰り返すのです。
「たとえば顔を踏みつけられたい、とか?」「はい。リョウ様にだけですけど。」「私のこの足で、ぐいぐいと踏んでほしい?」「あ・・・」繰り返し同じ事を言われることで、私は思わず反応をしてしまっています。
「ここが藍は好きだ。急所だ」と思うと本当に繰り返し私を責めてきます。
責められるたびに私は、自分自身の急所を自覚して、そしてそこに敏感になっていくのです。
この時は、すっかりリョウの言葉に心を操られてしまっていました。
リョウは決して自分が考えるように相手を仕向けると言うことはしません。
自分の欲望を前面に出して相手をその方向に連れて行くというのではないのです。
リョウは、相手を見ているのです。
相手すら気がつかない相手の好みの方向をきちんとつかむのです。
そして、その方向に相手を導くのです。
受身の私は、ものすごい居心地の良さを感じます。
リョウの責め、言葉に引っかかるところがほとんどないからです。
気がつけばリョウの言うとおりになっているのにリョウの思うままになっているのに嫌悪感を何一つ感じないのです。抵抗する気持ちが全くひきおこされないのです。
あるのは開放感と安堵感と幸福感。
心を操られる幸せに浸りきっていました。
(つづく)
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