Love Letter

傷つけたい。
あなたの心を、ナイフで切るように、傷つけたい。
あなたが傷つき、嫉妬で狂うのを、見てみたい。
あなたが、私を愛しているから傷ついたのだと、確認したい。

その嫉妬は、どこから来るの？


昔撮った、一本のビデオ。
そこには、髪の長い、20歳の私。
結婚前ふざけて撮った、当時愛してると思っていた男との、営み。


あなたはこれを見て、傷つくの？
あなたにこれを見せて、傷つけたいの？


・・・・・・・・・。


私は、傷つくの？
あなたと同じ立場になったら、傷つくの？

私は、涙を流すことが出来る？
私は、血を流すことが出来る？


昔から小説を読むと、主人公に感情移入して、同調して
自分の意識とは無関係に
心の奥深いところまで、心を沈めてしまうことがあった。

昔から詩や小説に、その時の自分を書くことが多かった。


この意識は、誰のもの？
これは、私？
これは、小説の中の人物のもの？

どれが本当の自分？
どれが自分の意識？


本当に、藍を愛しているのか、不安になる時がある。
以前、愛してると思っていた人がいたけれど
本当は、愛してなんていなかった。


どうして「愛してる」と思うのに
常に、それを客観的な目で見ている私がいるの？

この「冷めた自分」は誰？
どうやったら、この「冷めた自分」がいなくなるの？


私が嫉妬に狂ったなら、この「冷めた自分」はいなくなる、かな・・・。

私と出会って、私と愛し合うようになって
リョウは、少しずつ変わって来ました。
今まで感じなかったところが感じるようになり
あれだけ嫌っていた挿入を、自分から求めるようになりました。

でも、これはやはり気持ちがついて来て初めて
体が開かれてきたのです。

やはり、リョウは、結婚相手に対しては
心も体も閉ざしたままでした。
むしろ、私と付き合うようになって余計に
結婚相手とＳＥＸをするのは苦痛になったようです。

１度だけ、結婚相手の要望を断り切れず
体をゆだねたことがあったそうです。
嫌で、痛くて、途中でやめてもらったらしいです。

私とリョウの関係は、だんだん深くなって来たのであって
はじめからこうだったわけではありません。
リョウは、「付き合い始めた時には、あなた（私＝藍）に
体を開発してもらって、結婚相手との夜の生活を改善したい
と思っていた・・・」なんて言うくらいです。(笑)

でも、今は違います。

心と体は連動しているのです。
体だけの開発なんてやはり意味は無いと思います。


（つづく）


「リョウの体」　シリーズ一覧

壊してください。
私の心を、壊してください。
もう一人の私の存在を、消してください。


恋愛をしていても、ＳＥＸをしていても
常に私の後ろで、もう一人の私が見てる。


「愛したい」

気が狂うほどに、愛したい。


「愛されたい」

周りが見えなくなるほど、愛されたい。


「犯されたい」

あなたの愛だけを、感じたい。


「傷つけたい」

あなたの嫉妬で、私を縛り付けてほしい。


「傷つけられたい」

私の嫉妬で、あなたのことだけ考えたい。


「壊れたい」

壊されたい。



全部、同じ。

「あなたを、心から、愛したい。」