「こっちをみなさい。目をみて」恥ずかしさがどっと全身を襲う。リョウ女王様を見ることができる
のは本当に光栄だ。嬉しくてしかたない。でも同時に恥ずかしい。
こんな憧れの人を直視するのはそれだけで恥ずかしい。
同時に私の姿もみられてしまう。マゾに堕ちた浅ましい姿を。
普通の愛撫と何が違うのだろうか。
普通の愛撫は相手を楽しませるものだ。
そして、普通は短時間で終わる。
リョウ女王様の責めは、第1義的には決して私を喜ばせるもの
ではいない。責めは正直それが快楽を生むものであっても辛い。
その瞬間瞬間は逃げたいと思ってしまう。
けれど、私は逃げない。逃げたくない。もっともっとと求めてしまう。
そして、結果的に私のマゾの部分を喜ばせるものだ。
気が段々遠くなってくる。
ひたすら体に襲ってくる凶暴な快感に目がくらむ。
段々、リョウ女王様の姿がぼけてくる。
まずい、粗相をしてしまう。命令を守れない。
必死に目を開ける。リョウ女王様の命令はなんとしても守りたい。
けれど・・・けれど・・・・・あぁ・・・助けて・・・
ふっと・・・・意識が切れる。天国に逝く瞬間。
ごめんなさい・・頭では考えても言葉にすらできない。
あぁ・・・・
そして、髪をむしられるように引っ張られて左頬に熱く
激しい衝撃と高い大きな音を感じる。はっと目を覚ます。
ビンタだ。リョウ女王様が思い切り私の左頬を叩いたのだ。
あぁ・・・うれしい・・・・・心がとろける。
(つづく)
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