倒れこんでから、意識がない。だから記憶がない。
目の前にリョウ女王様の服があり、背中をさすられているのが
はっきりわかる。
あぁ、私は愛撫されている。もったいない。。いいのか?
こんなことされて。
段々事態が把握できてくる。
私はリョウ女王様に引き起こされて、今両足の間に正座している。
そして、ぴったり体を抱き寄せられて愛撫されている。
マゾの堕ちた状態でのとろけ方とは、異質のとろけ方を
してしまう。ずっと片思いで告白することすらも出来なかった
目を合わせることも躊躇した少年の日の恋のようなそんな
甘い感覚が私を包む。
でも・・・私は、調教を受ける身。リョウ女王様の奴隷。
そんな甘えは許されない。
甘えてしまえればどんなに楽だろう。
良いじゃないか、折檻されても。
甘えてしまえば。今がそのチャンスだ。
でも・・・できない。どうしてもそれだけは。
それをしてしまったら、何かすごく大事なものを失いそうで。
だから、できない。私は決してしない。
どんなにヘタレになろうとも、わがままになろうとも。
リョウ女王様のご好意を無にするようなことだけはしたくない。
それを裏切ることだけは・・・何が何でも。
忠誠心・・そう、非常に美しいものに私はかしずいて
そして、ある限りの忠誠を尽くしたいのかもしれない。
(つづく)
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