「変態」「こんなことされて嬉しいの?」「気持ちいいの?変態。」リョウ女王様の言葉は、私の心の奥底に届く。
そして、甘美な喜びを生み出す。
リョウ女王様は知っている。
私は私にされる行為だけに興奮するのではないことを
リョウ女王様との間のコミュニケーションに興奮するのだと。
唾を吐きかけられ、顔をぐちゃぐちゃにされるというのは
それだけでは行為に過ぎない。
でも、こうして、侮蔑の言葉をかけられることによって
行為は言葉に代わる。高級な言葉に生まれ変わる。
「気持ちいい?」奴隷の身分として、こんなにうれしいことはない。
リョウ女王様と2人きりで2人だけの会話が成立している。
それがいかに非日常的で普通の人間社会では侮蔑と呼ばれる
忌み嫌われる行為であっても。
私にとってはかけがえのない最高の会話になる。
痴呆のように完全に見も心もとろけた私にリョウ女王様は
こういった。
「可愛がってあげる。おいで」ベッドに私は促される。そう。あの責めをされるのだ。
(つづく)
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