リョウの心の壁や不思議なフィルターの存在は、私にあるものの存在を予感させました。
それは、リョウの心の中の根源的な性への嫌悪感です。
リョウ自身、自分で抵抗感という単語を使ってこう話していました。
「私自身も、自分で抵抗してるのは感じてた。」
「チャットとか言葉では抵抗してても、実際に会ってるときには
そういうのは捨てたいと思ってた。」
「だから考えないようにして、抵抗しないようにしてたつもりだった。」
「だけどまだまだ、抵抗してたんだなって・・・」しかし、一方でリョウは狂いたい、壊れたいという強い欲望も持っていました。
私はリョウに、成年コミックのかなりディープなものを見せたことがあります。
そのときのリョウの反応は、予想外のものでした。
「なんで、このマンガに出てくる女の子達は、こんなに簡単に壊れられるのだろう!?
私はどうして、こうなれないのだろう!?」てっきり、「興奮した」とか「Hだった」とかそういう感想を待っていた私は、少々面食らったものです。
またそれ以外に、リョウは嫌がりもせず、私の提案に乗って、数々の行為にトライをし続けてきました。
これらは全て、リョウ自身が認めているように
「今度こそ、もしかすると自分を忘我の領域に持っていくことができるかも知れない」という、期待の現れです。
性への嫌悪感 そして 正反対の 自己崩壊への欲望
私は長い間、このリョウの急変する態度に右往左往するばかりで
リョウは、どうしようもない矛盾を抱えたままでした。
P.S.
「藍が喜ぶことなら、私は何でも喜んで受け入れたい」この一言に、今日は打ちのめされました。
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