あれは、いつだったでしょうか。
藍を愛撫している時でした。
「私、今日は、兄のことを思い出さなかった・・」
愛撫を始める前には、必ず思い出していた兄のことを、その日は思い出さなかったのです。
藍を、愛撫したい。
藍を、犯したい。
藍を、もっと、感じさせたい。
藍を、もっと、狂わせたい。
そればかりを考えていて、そのことで頭がいっぱいで
いつも見る兄の映像を、その日は見ることがなかったのでした。
そういうことが、何度か続きました。
愛撫の途中で「ああ、今日も思い出さずに始めることが出来た」と・・。
そしてある時から、愛撫の途中ですら、思い出すことは無くなったのでした。
私は、思いました。
やっと、兄の呪縛から逃れることが出来た。
この日記の前半部分を書き終えたところで、藍に日記を見せました。
藍が言いました。
「そうだよね。ごめんね。もう、(「愛撫して」って)言うのをやめるね・・」
私は藍に、日記の続きを説明しました。
「違うんだよ。もう、(兄の映像は)見えなくなったんだよ。藍のおかげだよ」
私の説明を聞いた藍が言いました。
「ああ、そういうことだったんだ・・。
最近、リョウが自分から求めるようになったんだよ」
私は、自分では気づいていませんでした。
それは本当に、兄の呪縛から逃れた証拠に違いないと、その時思いました。
「この日記の最後に、何て書くかは、もう決まってるんだよ。
「愛してる、藍。ありがと」だよ」
感謝の気持ちを込めて。
本当に、本当に、ありがとう。
藍に出会えてよかった。
私は、とても幸せです。
愛してる、藍。大好き。ありがとう。
P.S.
一連のリョウの日記も今日で終わりです。
偶然なのか、必然なのかわかりませんが
このリョウの「兄のこと」日記の終了にあわせるように
この日記の主題にかかわる事件がおきています。
今、どんどん、リョウと私の関係が変わっていっています。
なかなか言葉にしにくく、まとめきれていません。
いずれ、日記にしたいとおもいます。
「リョウの日記 ~兄のこと~」 シリーズ一覧
最近のコメント