私は、知っている。
藍が、この部分に触れられることに弱いことを。
だから、ひたすら責め続ける。
延々と、痛みを与えないように気をつけながら
繰り返し繰り返し、指先に神経を集中させ、ひたすら快感だけを送り込んでいく。
軽く、素早く、そして時にゆっくりと
衣服を身につけたままの、藍の上半身に指を這わせる。
Mである藍は、強く痛みを伴うような刺激すら
実は、好むようになっているにもかかわらず
つねったり爪を立てたり、ぐいぐいと力任せに根元をいじるような真似はしない。
これからずっと、長時間にわたり
私が喜ぶやり方で、私が楽しめるやり方で、私が、責める。
だから、どれだけやめて欲しいと許しを請うても
私は決してやめない。
私のための、私の責めなのだから。
そうやって責めを続けているうちに、またひとつ、藍が壊れていくのが見える。
必死で壊れないよう、原型を留める努力をしているにもかかわらず
藍がまた、壊れていく。
「ごめんなさい。許してください・・」「私は誰?女王様じゃないでしょう?普通にしゃべって」
落ちることを、許さない。
感じすぎることを、許さない。
敬語になることを、許さない。
私は、リョウ。
あなたを愛する女。
あなたが、愛する女。
だから、もっと壊れて。
壊れていくところを、私に見せて。(つづく)
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