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初めての・・・(その30)

「今日は記念日だね」

という私に

「あの日だったらよかったのに」

と返すリョウ。あの日というのは2人だけがわかる日のことです。

愛しい、どうしようもないほど愛しい。
私は何度も何度もリョウをベッドの上で抱きしめました。
まどろんでいるうちにリョウは数分間、事後睡眠に落ちたようです。

「リョウ、リョウ、時間だよ。起きて」

「ねたい、ねむい」

本当は、腕枕のまま寝せて上げたかったのですが、タイムリミットは目の前に迫っています。

「ほら、もう**分しかないよ。急いで!」

リョウも時間を聞いてあわてて帰り支度をします。
帰り際はいつもこうなってしまいます。
ぎりぎりまで2人の時間に浸るのがいけないのですが。

身支度をしてホテルを出て一緒に歩いていると、リョウの頬はまだ興奮冷めないようで真っ赤なままでした。
私は意地悪を言いました。

「頬、赤いよ。どうしたの?」

リョウは半分微笑みながら、はずかしそうにしていました。。

「逝ったからでしょ(笑)」

「ううん、叩かれたから(笑)」

「嘘だよ、叩かれてからは随分時間たってるもん(笑)」

「ううん、叩かれたから(笑)」

リョウは何度かつまずいて私によっかかってきました。
やはり・・・まだ足元がふらついているようです。
体が言うことを利かないのでしょう。
冗談を言い合いながら、時にきわどい会話をしながら仲良く2人で歩きました。

あっという間に別れの場所に来ました。

「じゃ、またね。」

「うん、またね。」

車に乗り込むリョウ。

あ・い・し・て・る
と声を出さずに口を動かすと、リョウも
あ・い・し・て・る
と口を動かしました。

見えなくなくなるまでずっと、私はリョウに手を振っていました。
長い長い逢瀬の終わりでした。


20050422.jpg



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リョウと藍

  • Author:リョウと藍
  • 快楽を求め続けてお互いに相手を狂わせて楽しんでいます。
    本ブログはYahoo! JAPANに掲載されています。

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