時間の感覚がなくなっていました。
体をこれ以上ないくらいぴったりと密着させて抱きしめあっていた時間はどれくらいだったのか未だに検討もつきません。飽きることもなく抱きしめあっていて私はふと我にかえりました。
抱きしめる腕の力を弱めて、自分とリョウの腕を解き私はリョウの顔を見つめました。
そっとやさしく見つめ返すリョウの瞳は透明で澄んでいました。
「脚・・痛くない?苦しくない?」小さな声で私はリョウに聞きました。正上位のまま倒れこんだので女性の脚に負担をかけてしまっているのに気がついたのです。
「うん。平気だよ。だいじょうぶ。ありがとう。」私はまたリョウを抱きしめる為に背中に両腕を回しました。
リョウもまた先ほど同じように抱きしめ返してきました。
そして、また同じように私達は交わったまま抱きしめあったままの状態でじっとしていました。
長い時間同じ体勢でいるのは本来はきついことです。でも、この時はかなり長い時間同じ姿勢でいた記憶があります。
ある弾みで、私の体がピクリと動きました。筋肉が少し痙攣したような感じで。
同時に私自身にピクンと力が入ってしまったのです。
「・・ん・・・」リョウは小さく吐息を吐くと同時に私と同じように膣をピクンと反応させました。
あっ・・・私は心の中で声をだしていました。
リョウの膣に締め付けられるような一瞬の感覚に感じてしまったのです。
ぴくん、ぴくんという私とリョウの筋肉の動きは連動していてしかもホンの一瞬の出来事でした。しかし、そのほんの一瞬に相手を意識して相手の存在を意識してなんともいえない快感を感じました。
あ・・動いている・・・ それをお互いに感じるという表現がわかりやすいでしょうか。
私は、試しに今度はわざとリョウの中でピクリと動かしてみました。
リョウの反応すぐに、ピクンと返って来ました。
リョウは故意に動かしている様子はありませんでした。やはりあくまでも私の動きに反応してしまっている感じでした。
(つづく)
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