リョウはこの日ボディーコンシャスタイプのエレガントな服装で私を迎えました。
この日のための化粧とこの日のための服装でした。
リョウの見た瞬間に私は溜め息をもらしてしまうほど美しい姿でした。
私は・・・自分の気持ちの中でスイッチが入っていくのを感じていました。
部屋に入って抱きしめ合ってほんの少しだけ話をしました。
いつもなら抱き合ってすぐにするキスもこの日はお預け。
「キスをしてしまったら、女王様にならないから」リョウの言葉に反応するように私はリョウに責められたくて仕方なくなりました。
「リョウ。始めて。」「うん。いいの?」「うん。お願い。」今まで優しく可愛い女性であったリョウの態度が一気に豹変しました。
微笑をたたえていた口元はきゅっと閉じられてきつい視線を私に向けます。。
言葉使いも口調もこの瞬間に全てかわりました。
何もかもがいかにも女王様なのです。
「まず、挨拶だね。」「はい。。。。」リョウの変貌ぶりに戸惑いを隠せない私に、畳み掛けるようにリョウは言葉を重ねていきます。
「奴隷は服は不要だよ。脱ぎなさい。」あまりに見事な誘導に私はただただあっけにとられていました。
ものを考える時間を与えないで言葉を続けていくのです。
生まれて始めて味わうような羞恥心に襲われながら私はおずおずと服を脱いでいきました。リョウの前で服を脱ぐことなど今までは普通にしていたのに、どうしてこんなに恥ずしいと思うのか全く理解できませんでした。
全裸でリョウの前に立つ私に、リョウはなおも言葉を続けます。
「目線が高い。私より目線が高い奴隷がどこにいるの。」当然のことだといわんばかりのリョウの威厳のある言葉に私はひれ伏しました。
私は瞬間的に
しまったと思いました。
どうして、こんな当たり前なことをしなかったのだろう・・・と後悔する自分に気が付きました。
リョウは、たった2つの命令で私の心を一気に奴隷にしてしまいました。
そして、これがリョウの女王様としての最初の言葉でもありました。
(つづく)
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