前回の逢瀬で、新しい世界を実体験として楽しんでしまった私達は、その後2人でのめりこむようにこの世界にはまっていきました。
この世界に入り込む前には様々なハードルがあると思います。
肉体的ものの前にまず精神的なハードルがあって最初の数歩で立ち止まってしまう人が多いと思います。そもそも興味はあっても実際に入り込むまでいかないという方がほとんどなのではないでしょうか。
当然ですが、私達にもそういうものは存在していたと思います。
肉体的なハードルと精神的なハードルを一気に逢瀬で乗り切るのは多分無理だったのではないでしょうか。
私達の場合、逢瀬の前のメールやチャットで擬似的な調教を沢山していました。
メールやチャットの世界では、物理的な苦痛は当然ありませんから想像力だけで私はリョウの調教や責めを楽しむことができました。
実際にされたら無理というようなことも、空想の世界ではいくらでもしてもらえるのです。
私はリョウの責めを受けることに対して心理的な精神的な抵抗感を大幅に減らすことができたのだと思います。むしろ、抵抗感を感じるどころか積極的に責めを受けてみたいとさえ思うようになっていきました。
一方リョウは責めに対する私の反応を見て興奮し更なる責めを考えるようになりました。私がどうやったら狂うか、どうやったら喜ぶか、ひたすらそれを探求するようになったのです。
責め手としての立ち振る舞いや、言葉使い、そして誘導の仕方を好奇心も手伝って非常に良く調べて身につけていきました。責め方も広範囲にわたって様々な方法を学ぶようになっていました。。
リョウがこんなに熱中して探求する姿をみるのは初めてでした。
いままで、リョウが受身の立場であった時にはみられなかった積極性。
私はそんなリョウの様子を見ることが嬉しくて仕方ありませんでした。
リョウの知識や心つもりが十分に整い責め手として成熟し、私の受身の心の準備がほぼできてきてリョウに全てを任せる気持ちになった時、私達は会って交わりました。
そして、この日初めて現実の世界でリョウと私は女王様と奴隷の立場になりました。
今まではメールやチャットだけの空想の世界であったこの関係が初めて現実のものとなるのです。
いざ、本番でどうなってしまうのか・・・
2人とも期待と不安が織り交ざった状態での逢瀬になりました。
(つづく)
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