流石にぐったりとしているリョウの脇で、私は慌しく帰り支度をしました。
リョウの荷物の整理も終わったところで、リョウを起こして服を調えさせて部屋をでました。
いつもであれば、他愛の無い会話をして歩く帰り道も、この日はほとんど何も話すことができませんでした。
お別れのキスも少しだけして、普段は使わないタクシーにリョウを乗せました。
後部座席から私が見えなくなるまで手を振るリョウは健気で少し目の奥が熱くなってしまいました。
この日は、その後リョウと話をすることはできませんでした。
何通も何通もリョウにメールを打ちました。
電話もしようかと考えたのですが、寝ているところを起こしたら可哀想です。
自分の欲求をじっと我慢して、電話も控えました。
次の日、リョウに電話をかけたところすっかり元気になった声を聞くことができました。心配で心配でたまらない夜をすごした私は、電話口で馬鹿みたいにはしゃいでしましました。
「よかった。。本当に良かった。心配だった。。」リョウは少し小さな声で答えました。
「心配してくれてありがとう。嬉しい。」少し涙声で続けました。
「こんなに心配してくれるの、藍だけだもん。うれしい。」私も鼻の奥がつんと痛くなるのを感じました。
愛してる、リョウ。
お前がパートナーで本当に良かった。
私は幸せ者です。
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