「大丈夫。少し休めば」体調を気にかける私にシーツに包まりながらリョウは気丈なことをいいます。
「うん。。。やっぱり、今日無理してあわないほうがよかったのかも。」「ううん。一人で風邪で寝ているの嫌なの。藍と会って抱きしめてもらうほうがいいの。」リョウの言う事は非常によく理解できました。
この逢瀬の前に私も風邪を引いたことがあり、無性にリョウに会いたくなったのです。
もし、自分が風邪を引いていてリョウが会ってくれるならやはり、今日のリョウと同じ事を私もしたに違いありません。
「藍だって、わかるでしょう?」私の考えていることを見透かされてしまっていているようでした。
でも、リョウに見透かされるのは嫌ではありません。
むしろ、ありがたいことだと思いますし、それ以上に嬉しいと思います。
「うん。そうだね。。。」私はリョウの脇に移動して、リョウの髪を少し撫でながらつぶやくように独り言をしてしまいました。
「どうして、こんなに残酷になれるのだろう。」「どうして、こんなに愛しいのだろう。」「どうして、愛しいのに酷いことをするのだろう。」リョウは、じっと私の目を見つめていました。
私も目の前の最愛の相手の目をずっと見つめていました。
少しの休息をとった後に、リョウはポツリといいました。
「ちゃんと犯してほしい。」(つづく)
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