リョウは一瞬固まりました。
私が何を言っているのかわからない様子でした。
一呼吸おいてリョウは私に問いかけました。
「どこを?」また、言葉が詰まりました。
言いたくない、でも聞いて欲しい。
私の中に渦巻いた欲望は、既にリョウにそうされることを私自身に望ませるように仕向けていました。
「顔。」リョウは覚悟を決めていたようでした。
慌てることもなく戸惑うこともなく、おはようと挨拶したときに返事をするように、普通に答えました。
「いいよ」この時、私は確かに亀頭責めされてまともな思考などできないくらい追い込まれていたはずです。でも、それ以上に私はこのリョウとの会話で精神的に狂ってしまっていました。
リョウに足で、私の顔を踏んで欲しい。。
どうしてこんなことを考えたのか?
どうしてこれを私はして欲しいと思ったのか?
どうして私はこんなことを欲望として考えたのか?
リョウはなんとも思わなかったのか?
リョウは私を軽蔑しないのか?
リョウは私を嫌いにならないのか?
確かに、亀頭責めをされていると、リョウが遠い存在に感じてしまうことはありました。亀頭責めされながら抱きしめて欲しいという贅沢な欲望は確かにわきました。
でも、何故? どうして?
私も、リョウも、何故
いくら考えても、その時もこうして日記を書いている今もやはりわかりません。
リョウは、体勢を少し変えるようにしてから、ゆっくりと左足を私に近づけてきました。足先が大きくなって私の頬に触れました。
その瞬間、全ての理由など不要だということがわかりました。
私は絶対的な幸福感に包まれてしまいました。
(つづく)
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